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Julie & Julia

  • モリマリ
  • 2016年9月4日
  • 読了時間: 5分

Julie & Julia

(ジュリー&ジュリア) 

2009年公開

 

監督

ノーラ・エフロン

他の主な作品 You've got a mail(ユー・ゴッタ・メール), When Harry Met Sally(恋人たちの予感), Bewitched(奥様は魔女)

 

ストーリー

1960年代のアメリカの食卓に大旋風を巻き起こし、家庭で誰でもつくれるフランス料理のレシピを出版した料理研究家ジュリア・チャイルドと、そのレシピを一年で全制覇しブログに載せるという無謀な挑戦を始めた50年後のニューヨークに住むジュリーの二人の実話を基にした作品。

 

主な登場人物

1. ジュリー・チャイルド(メリル・ストリープ)

舞台は1950〜60年代に位置する。外交官の夫ポール・チャイルドの仕事の都合でパリに移住したアメリカ人女性ジュリアは、名門ル・コルドン・ブルーで料理を学ぶ。


協力的な夫と仲睦まじく暮らす甲高い声が特徴的な陽気で大らかなジュリー。

彼女の性格を夫ポールはこう語る:


"You know how famously grouchy the French can be...but Julia brings out the best in a polecat. So she thinks they're the most wonderful people in the world."

フランス人は気難しいことで有名だけど、ジュリアはシマスカンク*のいい部分を引き出すんだ...だから、彼女はフランス人を世界で一番素敵な人達だと思っている。


*悪臭を放つヨーロッパのイタチを指す。フランス人はしばしば体臭がきついというステレオタイプをシマスカンクを用いて隠喩している。

言葉が通じない環境にいながらも笑顔を絶やさない彼女は悩みと縁のないように見える。しかし、道行く子連れの夫婦を目にすると笑顔が曇ったり、妹のドロシーが妊娠したと知り夫の胸で泣き崩れるするシーンなどから、はっきり言葉にすることはなくとも、観客は笑顔の裏に隠された苦悩-彼女が子供を産めない体であること-を知る。


2. ジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)

2002年、ニューヨークに住むジュリーは、ライターになることを夢見ながら、政府が運営する9/11のテロで崩壊されたWTCの復興機関の一つであるコールセンターで働いている。


「恒例のコブサラダランチ会」と称する女子会に嫌々ながら参加したジュリーは、バリバリ働くキャリアウーマンの"友達"に劣等感を覚える。そのうちの一人にインタビューを依頼されるのだが、「仲間内で将来有望だったはずのライターのジュリーは、今では9/11テロの爪痕を処理する公務員として狭い事務所で働いてる」と、屈辱的な内容を書かれ怒りに震えた彼女。それをきっかけに、1961年に出版されたジュリア・チャイルド著のMastering the Art of French Cooking(王道のフランス料理)に記載されている524のレシピを一年で全てつくり、それをブログに載せるという決意をする。

 

テーマ

女性の権利の変遷をたどる

・監督と主人公は全員女性。

・ジュリーとジュリアのそれぞれの夫は、妻の夢に対して全面的に協力し応援する役割。

・ジュリアは家の中でも料理中でもいつでもヒールとパールを身につけ、フェミニンである一方、ジュリーはほとんどヒールを履かない。ジュリーの誕生日に夫がジュリアが身につけるような真珠のネックレスを贈って以来、ジュリーの服装はカラフルでフェミニンなものへと多少変化するものの、やはり足元はスニーカーだ。

・1950年代の女性の役割といえば家事と育児だが、子供を産めないジュリアは時間をもてあます。女性としての役割を完全に果たすことのできない彼女は、そのありあまったエネルギーを料理に費やす。一方、ジュリーが劣等感を覚えたのは社会的地位。ジュリーの夢はコブサラダランチ会の女友達のように社会的に成功すること。

 

エンディング

なぜジュリア・チャイルドはジュリーを好ましく思わなかったのか?

一年でジュリア・チャイルドのレシピを全制覇を遂げたジュリー。様々な出版社から声がかかり、ライターとしての道が開かれたが、彼女はジュリア・チャイルドに快く思われていないことを知る。

ジュリアのことをよく知る一人のライター、ロス・パーソンズは、彼女に聞いたところの返答がこれだ:

"Well...she doesn't seem serious, does she?"

"I worked very hard on that book. I tested and retested those recipes for eight years so that everybody could cook them. And many, many have. I don't understand how she could have problems with them. She just must not be much of a cook."

彼女は真剣にやってたのかしら?

あのレシピ本に私は相当な労力を費やしたわ。皆が作られるようにと、8年間何度も何度もレシピを試したのよ。そして、大勢の人が作ることができた。だから、彼女がうまくいかなかった理由が私には理解ができない。彼女は大して料理ができないだけじゃないかしら。

(Parsons, Ross. "Julie, Julia and me: Now it can be told" on LAT, August 12 2009)


料理を愛するが故の挑戦ではなく、ライターとして有名になりたいというジュリーのブログを、心から食を愛するジュリアが好ましく思うのは難しいことなのだろう。そんな野心を悟られたことにジュリーは恥ずかしく思ったためか、ジュリアの90歳の誕生日にコメントを残すことを拒否したのかもしれない。

 

メリル・ストリープのこだわり

・ジュリア・チャイルドの夫役ポールを演じるスタンリー・トゥッティを推薦したのは、メリル・ストリープといわれている。二人は、The Devil Wears Prada(プラダを着た悪魔)でも共演している。

・主題歌であるStop The Trainは、メリルの息子ヘンリー・ウォルフによるもの。


・衣装は、メリル・ストリープが出演するMamma Mia!(マンマ・ミーア!)、Hope Springs(31年目の夫婦)やDoubt(ダウト あるカトリック学校で)でも起用されたアン・ロス。





 
 
 

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はじめまして、モリマリです。 このブログの目的は、私が鑑賞した映画を個人の見解で勝手に評論することにあります。 脚本、ストーリーの展開の仕方、映画の中で取り扱われている社会問題、キャラクターの情緒の描写の仕方、カメラワークや音楽など様々な視点から映画を分析をした結果の評論を...

 
 
 

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