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BIG FISH

  • モリマリ
  • 2016年8月7日
  • 読了時間: 3分


映画: BIG FISH(ビッグフィッシュ)

監督: ティム・バートン

キャスト: ユアン・マクレガー、ルバート・フィニー


あらすじ:

父と息子の和解をテーマにした物語。

ジャーナリストのウィル・ブルームは、自分の人生の出来事や経験を誇張して語る父エドワード・ブルームに嫌気がさして結婚式以来、3年間疎遠になる。しかしある日、母サンドラから父の危篤の知らせを受けて、身重の妻ジョセフィーンとともに実家に戻る。父の死を目前に真実を知りたいと葛藤する息子をよそに、父エドワードは病床でも相変わらずなファンタジーな話を語る。監督は、そんな父子の不和関係を回想とともに映画を描いていく。



私の大好きな映画のうちのひとつであるこの映画ビッグフィッシュ。

エドワードが語る回想シーンでは、原色がちりばめられたりたくさんの光が使われるなどして、監督ティム・バートンらしい幻想的な雰囲気を演出している。グレーや茶色など落ち着いた色を基調とする現実の世界と比較すると、少しまぶしいほど。そのコントラストが、最後まで観客を飽きさせることなく映画の世界に引き込んでしまうのではないか。


今回、着目したいのは若きエドワードがサンドラに恋に落ちてからの映画のテンポの変化。

ある日、巨人の友人と共に鑑賞しに行ったサーカスでサンドラに一目惚れをするエドワード。「運命の人に出逢うと時が止まると言われている。そしてそれは真実だ」という台詞と共に、騒がしかったサーカス会場の動きがピタリと止まる。そこでエドワードだけが動き、青いドレスを着た女性に近づいていく。

他の登場人物に動きを止めてもらい、エドワードだけが機敏に動けばいわゆる「時が止まった」状態は描かれる。空中にはボウリングピンや猫、そしてポップコーンが浮いている。宇宙の星のように浮いているポップコーンを手でエドワードが手ではらうと、パラパラと乾いた音と共に落ちていった。

音と動きは、時間を意味するもの。それを示すかのように、「しかし、時がまた動き出すときにはさらに加速して動き出すことを誰も語らない」と老いたエドワードの台詞をともに、空中に浮いていたポップコーンは放物線を描いて地面に落ち、騒がしかったサーカス会場は早送りをしたかのように動き出す。余所見をしていた若きエドワードがまた女性のほうを向くと、彼女はあっという間にサーカスから出ていってしまったのだった。そこから彼は、サンドラのことを知っているサーカスの団長に、一ヶ月に一度彼女の情報をもらうという条件のもとで三年間働く。

「この町は、僕のような大きな大志を抱いた人間には小さすぎる」という理由で二度と戻らないと自分に誓って故郷を出たエドワード。彼の追う「大きな大志」が何を指すか明確に語らずに旅に出る。様々な出来事に遭遇しながら、立ち止まることなく旅を続けたそんな彼がたった一人の、ほとんど何も知らない女性のために足を止めた。映画のテンポが変化したのは、彼の人生の岐路が変わったことを示唆しているのではないだろうか。

また、ロマンスを描くことで、父としてのエドワードだけでなく、夫としてのエドワードというキャラに深みを出し、観客を魅了させるのだろう。


 
 
 

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はじめまして、モリマリです。 このブログの目的は、私が鑑賞した映画を個人の見解で勝手に評論することにあります。 脚本、ストーリーの展開の仕方、映画の中で取り扱われている社会問題、キャラクターの情緒の描写の仕方、カメラワークや音楽など様々な視点から映画を分析をした結果の評論を...

 
 
 

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